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ジャンクの初代「PSP1000」を修理&近代化(シェル換装•ラミネートIPS化)

20年前の携帯ゲーム機「PSP1000」を修理&カスタム。

突然PSPのゲームがやりたくなったため、「PSP1000」を購入した。美品を購入しても面白くないので、ジャンク品を修理して使うことにした。いくつかの修理と改善を施し、最終的には20年前のゲーム機とは思えないほどきれいな状態にまで復元することができた。

前面パネル・IPS換装済のPSP1000。

今回の記事では、PSPの中古品を選ぶ際のポイントや、修理の内容ついて紹介する。

PSPは現代でも通用するか?

ソニー・コンピュータエンターテインメント(通称:SCE)が産んだ名機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」。発売から20年以上経過した今でも熱狂的なユーザーコミュニティが存在する名機だ。

PSPの魅力は語り尽くせない。ポケットに収まるコンパクトなサイズ感、美麗なグラフィック、洗練されたOS(オペレーティングシステム)、優れた操作性、時代を彩った名作の数々・・・。発売当時から革新的なデバイスだったが、今の水準から考えてもかなり優秀なハンドヘルド機だ。

スイッチライトより一回り小さい。重さは同じくらい

ユーザーの狂気的な取り組みにより、今ではPSPをウォークマン化する「PSPMAN」や、様々なゲーム機のエミュレータを実装するなど、当時からは考えられないほど多機能なデバイスに魔改造されている。

ゲームを楽しむことはもちろん、それ以外にも遊べる要素は非常に多い。古いゲーム機だが、まだまだ弄り甲斐のあるデバイスだ。

あえて初代モデルを選んだ理由

後継機である「PSP2000」や「PSP3000」、より小型で先進的なスライド機構を搭載した「PSP Go」などの後継機ではなく、今回はあえて初代モデル「PSP1000」を購入。理由はやはり「価格」。新しい機種ほど改善点も多く使い勝手に優れるが、その分価格も高め。

後継モデルほど優れているかというと、そうとも限らない。実際、軽量化の為内部フレームが金属製からプラスチック製に変更されていたり、全体的に質感がチープだったり、ディスクドライブが壊れやすいなどの欠点もある。個人的に好きなのは「PSP1000」のほうだ。質感が高く、本体が分厚く重量もあるが、所有欲は満たされる。

PSP1000は内部フレームが金属製。2000以降はプラスチックになっている

メリット

  • 価格が安い(ジャンクなら2,3,000円程度)
  • 在庫が豊富にある(良品は数が少ない)
  • 金属パーツが仕様されており質感が高い
  • UMDドライブが丈夫で故障が少ない(2000番台以降は簡素化されており故障しやすい)
  • 改造しやすい(パーツの単価が安い、互換パーツの種類が豊富)

デメリット

  • 本体重量が重い(重量は280g程度。「PSP3000」より約100gも重い)
  • メモリが少ない(512MBで「PSP3000」の半分)
  • バッテリー持続時間が短い(使用するバッテリーや設定次第だが、新品の互換品で5から6時間ほど)
  • 液晶の質が良くない(輝度をMAXにしても屋外では目視できないレベル、残像も多い)
  • 美品の在庫が少ない(年式が古く、改造された個体も多い)

これらの理由から、中古の価格も安い(良品でも4,000~5,000円程度)。できるゲームに違いはないため、質感重視、実用性重視、コストを抑えたいという人にはオススメ。

状態の良い中古を探すより自分で直した方が早い

発売から20年以上が経過しているため、中古市場の完動品や美品の割合はかなり少ない。普及台数が多いので探せば意外と見つかるが、価格は高騰している。正直、実用品というよりコレクション品の側面が強い。

ぼくが購入した本体のコンディションは「ジャンク品」なので、価格は2~3,000円程度だった。正直、美品を探すよりもジャンク品を買って自分で修理するのがオススメ。どうせ古い機種なので、今は大丈夫でもいつ壊れるか知れない。修理する前提で探すといくらでも見つかるが、故障箇所を事前に確認し、簡単に修理できるかどうか調べてから購入する必要がある。

なお、中古品を探すなら個人売買(メルカリ等)よりも店頭(ハードオフや駿河屋など)での購入がおすすめ。メルカリなどに出回っているジャンク品は、自然故障なのか改造して壊したのかなど、故障の原因が判別が付きにくい。その点店頭購入の場合、原因まで明記されていることも多く、「ハードオフ」などの大手ショップでは、購入前に動作確認も可能。

今回購入した「PSP1000」の詳しい状態は以下の通り。

  • □ボタンを押し込んでも時々反応しない時がある
  • ディスク読込時の異音と読込不良(キュルキュル音が鳴る)
  • ディスプレイの一部に黄ばみがある(尿液晶)

現状だと使用できない状態だが、修理する前提なので問題なし。ディスプレイの黄ばみは軽度なので無視しても良いが、ディスプレイのIPS化も今回の目的の一つであるため、今回は交換することにした(問題ない物を改造するのは忍びないので、あえて問題のある個体を選んでいる)。

なお、他の故障箇所は全て修理手順が確立されている。壊れていると修理が面倒くさい箇所がないことは購入前に確認済み。

壊れているとやっかいな箇所

  • 充電端子の破損や接触不良
  • USBポートからの充電、データ転送
  • ディスクの読み込み
  • Wi-Fi接続、Bluetooth接続などの通信周り

今回修理した箇所について

今回修理するのは以下の3点。

  • □ボタンを押し込んでも時々反応しない時がある
  • ディスク読込時の異音と読込不良(キュルキュル音が鳴る)
  • ディスプレイの一部に黄ばみがある(尿液晶)

1,□ボタンを押し込んでも時々反応しない

この問題は中古だとほぼほぼ発生している問題。ボタンを押すとその裏にあるラバー部分が押し込まれることで反応する仕組みだが、このラバーが汚れていたり経年劣化で破れている場合が多い。

今回のケースだとラバーの破れが発生しているのが原因。これは、Aliexpressで互換品のラバーが200円程度で購入できるので、交換すればOK。ぼくの場合、純正品の操作感から変えたくなかったため、他のジャンクから予備パーツを持ってきて交換した。

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他にも、ラバー裏の電子接点が汚れている場合もある。この場合は綿棒に無水エタノールを付けて拭いてあげると復活する。

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これでも復活しない場合は、基盤側の故障も考えられる。この場合も解決可能で、左右の基盤は分かれているため、壊れている方の基盤をこれまたAliexpressで購入できる互換基盤に交換すればOK。 交換手順はやや複雑になるが、半田付けなどの面倒な作業は発生しないため、難易度は低い。

2,ディスク読込時の異音と読込不良(キュルキュル音が鳴る)

PSPの場合、UMDが読み込めないとまともにゲームができないので、必ず修理しておきたい。CFW(カスタムファームウェア)導入後にはUMDの吸い出しにも多用する。

この症状はUMDドライブの特定のパーツ(スクリューシャフト)のグリス切れが原因。対策は単純で、綿棒や爪楊枝の先端にグリスを付けてからグリスを塗ってやれば解決する。動作確認して改善されなければさらに薄く塗り広げて起動・・・の繰り返し。

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改善しない場合、最悪UMDドライブが無事な別のPSPから移植することも可能だが、ハードルは高い。なお「PSP2000」「PSP3000」のUMDドライブとは形状が異なるため互換性はない(一部動作を確認した事例もあるがおススメはしない)。

3,ディスプレイの外側が黄ばんでいる(尿液晶)

ここが今回の肝となる部分。「PSP1000」のディスプレイはいまいちなので、今からPSPを使うなら交換しておきたい部分。これだけで現代のハードにも見劣りしないほどグラフィック品質が改善する。

「PSP1000」の液晶には主に「残像感が大きいこと」と「ディスプレイの輝度が暗い」という2つの問題点がある。ゲームによってはプレイ体験を大きく損ねてしまう。そこで、今回はAliexpressからIPS液晶とフロントパネルがセットになった物を購入した。

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ディスプレイに関しては、当時の技術的な限界もあり、映像品質にかなり古めかしさを感じる。交換するとPSPが本来持つ映像美を最大限発揮できる。交換が面倒ならある程度品質が改善されている「PSP Go」や「PSP3000」の購入をおすすめする(尿液晶はどうしても発生するので注意)。

フロントシェルを交換する必要はあるか?という疑問に関しては、今回使用したパーツの場合は必須となる。純正パネルの上にはプラスチック製の液晶カバーが存在するが、今回使用した液晶パネルはラミネート加工されているため、カバーが不要となる。その分液晶パネルに厚みがあるため、専用のフロントシェルが必要になるというわけだ。

フロントシェル自体の品質は素晴らしく、そのビルドクオリティは純正品と見紛うほど。むしろつや消しのブラックが純正で用意されていないのが不思議なくらいのクオリティだ(海外限定モデルである「PSP-E1000」はつや消し仕様だったはず)。PSロゴとPSPのロゴが勝手に彫られているのはさすがに驚いた。

ロゴが勝手に彫られている。質感は高い

ディスプレイの交換は今回の修理で一番難しい部分。本体の分解とディスプレイの取り外しは比較的容易だが、交換用のパネルをそのまま取り付けると、ディスプレイの表示がずれてしまうため、交換前に基盤の一部をショートさせる必要があった。ショートさせるには基盤を削り、半田付けを行う必要がある。基盤が小さいので、裸眼で行うのはかなり難易度が高かった。

半田付けは慣れているのでそこまで苦戦しなかったが、初心者には難しいかも。ネットで調べると、失敗している例もちらほら見つかる。とはいえ、機材をしっかり揃えて慎重に作業すれば大丈夫だ。今回の使用機材は記事の末尾に残しておく(機材が最適である保証はないので注意)。

カスタム後のPSP-1000

上記の修理とカスタムを全て施し、生まれ変わったPSPのご尊顔がこちら。

マット仕上げのシェルが良い感じ

純正の背面と似た質感になっている

まるで最新ハードのような面構えだ。シェルとディスプレイの交換により、新品のような輝きを取り戻した。

我々PSPドンピシャの世代からみると懐かしさもありつつ、見たことのないカラーと明るいディスプレイに違和感を覚える。PSPに触れてこなかった若い世代がみると、最新ハードのように見えるのだろうか。画面の解像度は「480×272ドット」と今では信じられないほど低解像度だが、明るいディスプレイに交換したおかげでスペック以上に美しい映像を楽しむことができる。

現代的な水準からみて、物足りない部分のみをアップデートすることで、オリジナルが持つ魅力は残しつつ、細かな不満点を改善することができた。フロントシェルも非純正とは思えないビルドクオリティで、純正の背面シェルに近い質感がよく再現されており、一体感と高級感が大きく向上した(純正のグロスブラックは美しいものの、傷が着きやすいという欠点があった)。汚れや傷が目立ちにくくなるので、よりラフに楽しむことができる。

修理してすぐに、大好きな「リッジレーサー」をプレイしてみた。音質は最近のゲームに引けをとらない。最高のBGMと、当時実現できなかった最高の画質で楽しむことができて、これだけで買う価値があった。

リッジレーサー2は名作。特にBGMが最高

まとめ:PSPでゲームが持つ純粋な楽しさを思い出した根源的な楽しさを思い出せる

伝統的なゲーム機を現代向けにアップデートする試みは、思っていた以上に良い結果をもたらした。ゲーム機がどんどん高性能化、大型化、高級化している中で、数千円で買えるレトロゲームに触れてみるのもアンチテーゼ的で面白い。完全オフラインで、他人に左右されず、ゲームの世界に没頭できる体験はやはり素晴らしい。 ゲームが持つ本質的な楽しさや、ゲームを愛していた当時の自分を思い返すことができた。

人気機種なだけあり、互換パーツが数百円で購入できる保守性の高さもありがたい。現代のゲーム機は内部構造が複雑化しており、ユーザーの手に負える物ではない。PSPなら、故障してもユーザーが簡単に修理できる。 PSPが持つ価値は、優れたゲーム機であるという点はもちろん、それ以上に、現代のゲーマーにゲームの本質的な面白さを伝えるという意味でも重要な意味があるように感じた。

PSPの素晴らしい点

  • 完全オフラインで全て遊べる
  • 片手に収まる小型サイズ
  • 素晴らしい操作性と保守性のボタン
  • 魅力的な名作ゲームの数々
  • PS1ゲームが完璧な互換性でプレイできる(ブレスオブファイアやサモンナイトなど!)
  • 液晶交換により現代のゲーム機に引けをとらない
  • CFWを導入すれば機能が大幅に改善
    • ソフトの吸い出し
    • MicroSDが使える
    • ウォークマン化
    • クロック数の向上(本体性能UP)

使用機材一覧

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はんだ付けが不安なら、代わりに導電性銀ペーストを塗布する方法もある。塗って乾かすだけなので簡単。機材を揃える必要がないため安く済むというメリットもある。

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